② ヒヤリハットの教材化Ⅰ

4-3.訓練や知識不足など,未熟さに対処するための取り組み

 

4-3-1 行動主義的教育プログラム

② ヒヤリハットの教材化Ⅰ

 

一般的に事故事例の紹介は,リアリティがある教訓として学生は興味を持ちやすい.
加えて,一般論の紹介よりも,自分たちが行う同じ実験,同じ実験室で起こった事故事例は学生にとって特にインパクトが大きく記憶に残りやすい.そこで,同じ実験で起こったヒヤリハット事例をすぐにイラストや写真にして教材化することにより,従来の安全教育では知識伝達型または自然に覚えていく自然習得型と考えられている基礎知識を紐づけて説明する教材を作成した.

例えば,「スイスチーズモデル」や「ハインリッヒの法則」などは,安全教育の基本として必ず教える内容だが,図4-23 に示す教材のようにして説明することにより,より確かな知識の定着をねらった.他の安全関連の知識も,このようにして説明することで効果的な教育ができると考える.

同じ学生実験では,同様のヒヤリハットや事故が起こりやすい.そのような事故の直後にその事例を教材化することが,教育効果が大きいと考えられる.