専門や授業の形態、学習者の人数によって様々な学習環境が考えられる。KOSEN型実技教育のためのアクティブ・ラーニングに使いやすい一般的な部屋や設備を挙げる。
教室
・ 机や椅子の移動が容易にできる。
・ 大判紙を広げ、周りに少し余裕があるくらいの大きさの机が、グループワークに適している。
・ チームのメンバー全員で囲める適度な大きさの机がある。
・ 各チームが使えるホワイトボードがある。
・ ネット環境が整っており、各チームに通信端末が最低限1台ある。
・ 活動の指示を出すためや講義のための教卓などが、すべてのチームから見える場所にある。
・ プロジェクターやスクリーンなどの学習支援機器が必要に応じてすぐに使えるようになっている。
・ 周りに、文房具など必要な学習支援ツールを整理して置ける棚やスペースがあり、学習者が自由にアクセスできる。
・ 学習者が一斉に移動できるくらいのスペースがある。
・ 明るく、どこからも部屋の隅々まで見渡せる。
・ 指示や発表の際の声が部屋の隅々まで聞こえる。
・ コンセントが多い。
実験室
・ 学習者がとり得る行動を想定して危険予知がされており、それに基づいてハード、ソフトの両面において安全確保の措置が講じられている。
・ 整理整頓が行き届き、創造性を刺激するようなパーツに学習者が自由にアクセスできるようになっている。
・ 必要な機器類が、学生が出しやすく片付けやすくなっている。
・ 実験室内のルールがわかりやすく、学習者に受け入れられやすい。
また、アクティブ・ラーニングの質を上げるための装置やツールの例としては次のものが考えられる。
・ 多様な他者(指導者、チームメイト、他のチームの人、技術者など専門家や地域の住民、先輩や後輩、授業担当以外の教職員)
・
情報や知識の習得 (宿題、調べ学習、体験的調査、専門家など外部の方へのインタビュー、e-learning)
・ 様々なアウトプットのための活動(レポート、ワークシート、思考や議論、合意形成を可視化した図や作成物、プレゼンテーション)
・ 振り返り(形成的評価活動、振り返りシートへの記入、チームメイトとの共有、指導者のヒアリング)
・ 多様な評価活動(自己評価、相互評価、第3者評価、試験、統括的評価)
単独の授業では難しいが、効果があるもの
・ 他の授業との連携(教員同士、技術職員同士の情報交換だけでも、学びの質の向上に役立てることができる)
・ カリキュラム上の教授戦略、カリキュラムサポート
・ 他の部署との連携(キャリア教育、メンタルヘルス、カウンセリング、保健室、図書館、安全や知財関連部署など)